LEAF Vol.40 世界を知りたい!!

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 世界を知りたい!!
LEAF Vol.40
fromヤングアダルトコーナー

広い世界を見てみたい!
でも、本当に世界を見られるのは、
大人になってから?
それじゃあ、とりあえず、
本を通じて世界を知ろう!

ソルハ

帚木 蓬生 著 あかね書房 検索
アフガニスタンの首都カブールに暮らす少女・ビビにとって、戦争は生まれた時からあるものだった。
学ぶことへの希望に満ちて入学した小学校が、ゲリラ組織の、カブールを巡る戦いの中砲撃され閉鎖された後は、仕方なく、家族に助けられながら、家の中で勉強を続ける。
やがて、戦いはタリバンの勝利で終結し、これで再び学校へ通えると思ったビビだったが、タリバンは、女性が働いたり学んだり、きれいに身を装ったり、一人で出歩いたりする全ての自由を禁じた。
そして恐怖で人を支配しようとするタリバンの魔の手は、学びたい少女たちに密かに勉強を教えていた、ビビの母親・ロビーナへと伸ばされる。
 イスラム・タリバン・アルカイダ…、ニュースでは聞くが、ぼんやりとしか理解できない一つの戦争が、その地に暮らす少女の目を通す形で、分かりやすく語られている。

ブラック・カルチャー観察日記

高山 マミ 著 Pヴァイン・ブックス 検索
我々日本人が、あまり関わる機会のない黒人文化。
スポーツ万能だったり、抜群のリズム感でダンスをしていたり、或いは、美しく響き渡るハーモニーで歌いあげたり、なんとなくそんなイメージを持っている人も多いのでは?
そんな我々に、アメリカの黒人男性と結婚した著者が、スポーツ界や音楽界・映画界のスーパースターではない、一般の黒人たちの生活を垣間見せてくれる。
あれだけ身体能力が高いのに、育った環境ゆえに多くの黒人が水泳が苦手だとか、実は(と言うか、よく考えれば当たり前だが)オンチな黒人もたくさんいるんだよとか、彼らの中における「黒人」の定義だとか。
長い差別の歴史の中育まれた、彼ら独特の価値観が、時に少し切なかったりもする。

まんが クラスメイトは外国人

みなみ ななみ まんが 明石書店 検索
あなたのクラスに、外国人の友だちはいる?
今、日本国内には、多くの外国人が、様々な事情で暮らしている。
そんな人たちの抱える事情や、日本で暮らす上での困難を、この本では、学校に通う外国人小中学生の様子を漫画で描くことで、わかりやすく説明している。
言葉が分からなかったり、習慣が違ったりするせいで、周囲との間に起こるトラブル。
トラブルの原因となる「違うこと」を知り、理解することで(少なくとも、理解しようと意識することで)、日本にいながらにして、世界に近づくこと、世界を広げることができるだろう。

ヤマザキマリのアジアで花咲け!なでしこたち

ヤマザキ マリ 著 メディアファクトリー KADOKAWA 検索
漫画「テルマエロマエ」の作者・ヤマザキマリは、17歳の頃から、イタリア・シリア・ポルトガル・シカゴと世界を渡り歩いている流浪の漫画家。
そんな彼女が、漫画を交えてレポートするのは、アジア各地で自分のなすべき事、やりたい事を見つけ、その地で奮闘する日本人女性の姿。
現地のゆるさにイライラしたり、目の当たりにした貧富の格差に驚いたりしながら、その国に生まれ生きる人々のために力強く働くなでしこたちの姿は、大変そうだと思いながらも、羨ましくもある。

世界女の子白書

木楽舎 検索
「女の子の世界」から世界を見てみよう。いろいろな国の女の子たちが語るのは、恋愛やおしゃれや仕事、結婚、政治、将来について。
女の子は、どこにいても恋に夢見てオシャレやおしゃべりが大好きで。
そういう姿は変わらない。
しかし、まだ男尊女卑の考えが深く根付く地域では、勉強よりも家事をすることを求められたり、学校へ行くお金を出してもらえなかったりと、識字率が日本の女の子の四分の一もないことも。
その一方、男女平等をうたっている日本でも、外国人の女の子たちから見ると、日本人の女の子自身が気付いていない男女差別がまかり通っていたりする。
世界を知り世界とつながる、それをきっかけに自分の幸せを考えてほしい。
そんな願いがこめられたカワイイ1冊

移民の宴

高野 秀行 著 講談社 検索
「旅行や留学といった短期の滞在ではなく、日本に移り住み、10年20年と長期にわたって日本で暮らす、生活の基盤を日本に置いた外国人たちが、普段の生活でいったい何を食べているのか?日本食?それとも祖国の料理?そんな疑問からスタートし、「食」を中心に彼らの日本での生活を取材した本書。
「食」には、その国の文化や宗教が密接に絡み合う。
日本各地に散らばる各国のコミュニティーでは、取材の場となる集会や、祭りの時こそ、それぞれのお国料理をつついて、皆でワイワイやっているが、普段の食事について問えば、驚くほど「日本食」の答えが返ってくるのが面白い。
強く、楽しく、たくましく日本で暮らす外国人たちの生活を垣間見ると、ちょっとした小旅行にも似た気分が味わえる。

白球アフロ

朝倉 宏景 著 講談社 検索
弱小都立高校野球部に入部してきた転校生、須永・クリストファー。 日米ハーフで褐色の肌、190cm近い巨体にアフロと、どこのメジャーリーガーだ、という風貌に色めき立つ部員や監督一同だったが、高校野球ならではの、よく言えば真面目さ、悪く言えば窮屈さに、クリスの「why?」が連発。
「『バント』なんてみみっちいことしない」とまで言い出すクリスに、教育係を押し付けられた恭一は、頭を抱えながら、もっともらしい理論と、クリスが気になっている女子を使って説得にあたる。
野球ひとつとっても、国が違えばそれに対する価値観が違うのも当たり前だが、その一方で、どこの国の男の子も、好きな子にはいいところを見せたいのも、また当たり前。

多文化に出会うブックガイド

読書工房 検索
日本に観光に来たり、定住する外国人も増え、インターネット等を使って、家にいながらにして、世界の人々と接する事もできるようになった。 世界が近付くにつれ必要になるのは、私たちと異なる文化への理解だ。
本書では、そんな世界各地の文化について、私たちが理解するのに助けになりそうな書籍を、地域別・国別に紹介している。
特に多数紹介されている絵本は、対象が「小学校低学年から」となってはいるが、絵として描かれている分、各国の生活様式や、昔から続く伝統などをわかりやすく私たちに伝えてくれる。
また、第一部の「多文化社会を生きるための本棚」では、写真家、絵本作家、漫画家や研究者など、各分野で活躍中の人たちが、それぞれの経験を踏まえた「世界の見方」を語っている。
様々な角度から世界を見る視点を、あなたも手に入れてみよう。

青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記

高橋 絵里香 著 講談社 検索
小4で出会った「ムーミン」をきっかけに、その物語を生んだ国、フィンランドに強く惹かれた著者。
まだ小学生だった彼女の「フィンランドに留学したい」という夢を、両親は前向に受け止め、現地の高校に入学し卒業するという卒業留学を目指すことに。
だが、なかなか留学情報が集まらず苦労したり、理不尽さを多くはらんだ中学生活で、深く傷付き自信を消失したり。
それでも留学の下見にとフィンランドと入学予定の学校を訪れた著者は、留学への意欲を新たにし、予定通り中学卒業と同時に、まだまだ不十分なフィンランド語で、現地に飛び込んだ。
そんな彼女を、周囲の人々は暖かく迎え、彼女もその優しさに報いたいと言うように、懸命に努力して4年間の充実した高校生活をすごす。
キラキラと頑張る彼女の姿は、世界を広げることをためらう人の背中を押してくれる。