LEAF Vol.47 いざ!勝負!! スポーツの本
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風のヒルクライム
加部 鈴子 著
岩崎書店
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標高差1200m、20kmの距離を自転車で駆け上がるヒルクライムレース。
出場するのは、不在がちな父親から一方的に贈られたロードバイクとヒルクライム大会への参加申込みに反発する中学生や、あまりぱっとしない父親を恥ずかしく思い始めている少女、普段ほったらかしにしてしまっている息子に自分の背中を見せたいと思う父親、決して裕福とは言えない中で、かつての夢を自分に託す両親に応えたいと強く願う少年。
それぞれの思いを胸にゴールを目指す彼らの横を軽々と駆け抜けていくのは……ママチャリ!?
あまり馴染みのないヒルクライムという競技。
自転車で山を登ることにどんな意味があるのか、この本を読むと、見えてくる気がする。
錦織圭 リターンゲーム
内田 暁 著
学研プラス
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物語は、父親が9歳の姉と5歳の弟に、出張のお土産として子ども用のテニスラケットを与えたところから始まる。
この弟こそが後のプロテニスプレーヤー・錦織圭だ。父と姉と一緒にテニスをする少年は、体格差のある姉にどうにかして勝とうと、あの手この手の工夫を重ねる。
負けっぱなしであきらめず、「工夫することで勝つ」楽しさを知った少年時代。その時培われた遊び心のあるテニスが、その後の彼のプレースタイルになっていく。
幼少期から2015年までの錦織選手の軌跡が綴られるこの本では、貴重な出会いやそれを自らの糧にするための努力が丁寧に描かれ、9387日かけて「錦織圭」が出来上がる様を浮かび上がらせる。
2.43
壁井 ユカコ 著
集英社
既刊2巻
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2.43。それは、バレーをやっている高校生たち憧れの舞台、春高バレーでのネットの高さだ。
都内の強豪中学バレー部で問題を起こし、幼いころ過ごした祖父母の暮らす福井の田舎町にやってきた天才セッター灰島と、地主のボンボンでヘタレだけれど身体能力だけは高い黒羽。
2人の幼馴染が中学のバレー部を経て、時にぶつかり、時にケンカし、時に溝や壁を作りまたそれを壊しながら、進学先の弱小高校バレー部で春高を目指す。
主人公の2人だけではなく、同じチームの個性的な先輩たちやライバルチームのエピソードにも多くのページを割いていて、「バレーチームの話」を楽しめる物語となっている。
レーシング少女
郁子 匠 著
ポプラ社
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最上位クラスのモトGPで使われるバイクは、最高時速340Km。
6歳の時、初めて訪れた鈴鹿サーキットでオートレースの迫力に魅せられた悠真は、プロのレーサーを目指す16歳の女子高生。
選手権では、ポケバイ、ミニバイとクラスをまたいで史上初の6連覇。
今季も優勝し、V7を引っ提げて一つ上のGP125クラスへ参戦…。
そんな青写真を描いていたところに、天才肌の美少女レーサー、幸佳が現れ、努力肌の悠真の世界は激変。
悠真は夢も恋も奪われ、次第に自信を無くしていく。
一歩間違えば、文字通り「死」と隣り合わせのバイクレースの世界で闘う悠真たちだが、その内面に訪れる試練や挫折は、普通の中高生のそれと、何も変わらない。
そして、僕らは風になる
田中 渉 著
マガジンハウス
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毎日サンタクロースの格好をして外出すると、行き交う人々から罵声を浴びる中年男。
そんなある日、突然現れた学生時代の同級生から、ある少年を見てほしいと頼み事をされる。
高校生の相手など無理だと思いながら、見るだけだと学校へ向かう中年サンタ。
そこには、ホノルルマラソンを目標に必至で練習をする少年の姿が。
罵り合いながらも少年の事が気にかかる中年サンタ。
事情をかかえながら走り続ける少年を支えていたものは「言葉」だった。
自分の初マラソンもホノルルだったと昔を思い出すサンタ。やっと自分の心と向き合えたと思っていた時、少年に異変が・・・。
支えてくれた「言葉」たちと少年の想いを胸に、再びホノルルマラソンを目指す!
舞姫はじめました
和泉 統子 著
新書館
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同性の痴漢やストーカーに狙われるのが日常茶飯事だった少年・真理(まさみち・表紙画の抱っこされている方)は、平凡な高校生を目指して、知り合いが1人もいない僻地の高校に進学。
だが、趣味のスケートをしに通っていた、「呪われた」と噂の立つスケートリンクで、美少年にしか見えない同じ学校の帰国子女の少女・勇(ゆう・同抱っこしている方)と出会ったのをきっかけに、憧れの「一般的・普通・地味」からどんどん遠ざかり、ついには、ジュリエットに扮して、ロミオに扮した勇とともに、男女逆転のアイスダンスを披露することに!?
スケートリンク所有の一族を守る神様や、その神様に仕えるキツネ、リンクに棲みつく付喪神らも出てくるファンタジックなストーリーと共に氷の舞台を楽しもう。
女子部活食
海老 久美子 著
ベースボール・マガジン社
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アスリートとしての体作りに必要なのは、しっかりとした運動、食事、休養。
本書では、もっとも基本となる食事にスポットをあて、第1部で炭水化物やタンパク質などの栄養補給のポイントや、それらの吸収を助けるビタミンなどのミネラルを詳しく解説してくれる。
アスリートであると同時に成長期女子でもあるという中高生たちの気になる部分(甘いお菓子の誘惑やコンビニとの付き合い方)もサポート。
さらに第2部では足りない栄養素を補強するためのレシピが載っている。
著者のゼミに属する、元アスリートで管理栄養士でもある大学院生たちが「全力投球」で作成したレシピは、どれもおいしそう。
夢を跳ぶ
佐藤 真海 著
岩波書店
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大学で、チアリーダーの一員として大学生活を謳歌していた著者だったが、19歳の時に骨肉腫を発症したため右足のひざ下を切断。
治療を終え大学に復学したものの、希望を持てないままの毎日に苦しんでいた。
そんな失意のどん底の中、彼女は障がい者スポーツと出会う。
最初は、浮力の力が借りられる水泳に夢中になり、その後スポーツ義足との出会いにより陸上競技を始める。
風を切って走ることを楽しみ始めた彼女の中からは、退院直後の失意も消え、それどころか、新たに走り幅跳びに挑むことに。
大きな喪失の中、自ら希望を見出だし、立ち上がり走り始め、やがてパラリンピックの舞台に立つまでになった彼女の姿は、多くの人を力づけるだろう。
奇跡のプレイボール
大社 充 著
金の星社
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始まりはニューヨークからの手紙だった。
それは、テレビ番組をつくる仕事をしている中学校時代の同級生からで、フロリダ州にある野球チームの取材をしたところ「日本人と野球で決着をつけたい」と言われたという。
その野球チームの入団資格は75歳以上、平均年齢およそ80歳。
かつて太平洋戦争で日本軍と戦った経験をもつ人たちだった。
同封されたDVDには、元気なおじいさんたちの姿が!夢のような日米親善野球試合を実現させるべく奔走しているうちに、試合に参加する選手たちの想いが見えてくる。
彼らの中では、まだ戦争は終わっていなかった。
体調を気遣いながら野球に奮闘するおじいさんたち、思わず応援したくなる。
LEAF Vol.47
fromヤングアダルトコーナー
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