戊申会簡易図書館
野田市の図書館のルーツをたどると、大正10年誕生の「戊申会簡易図書館」にまでさかのぼる。戊申会とは、明治41年に発足した会員10数名前後の青年団体のことを言う。
この会は、当初は親睦を目的に発足したが、やがて社会教育活動を推進する団体となった。
「おはなし会」と称する講演会を中心に活動を展開したが、図書館の必要性を痛感し、その建設を決意するに至った。
そして、「戊申会簡易図書館」は大正10年6月に町内有力者の協賛を得て開館した。
野田町図書館
大正12年、野田町議会の申し入れにより、戊申会から「戊申会簡易図書館」が移管され、「野田町図書館」と改称した。野田町図書館は、館外帯出登録者を会員とする野田町読書会を結成、野田町読書会報を発行し、また、月刊文芸誌「砂丘（すなおか」を刊行するなど特色ある活動を展開した。
また、貸し出し冊数も順調に伸び、以上のような活動が認められ、大正14年には千葉県から、同15年には文部省から優良図書館として表彰された。
財団法人興風会図書館
昭和4年、社会教育事業を目的として、財団法人「興風会」が設立された。野田町図書館から移管された図書館は「財団法人興風会図書館」として、興風会館の1階で私立図書館としての活動を開始した。
昭和16年には、独立館舎の完成に伴い移転する。昭和51年には、図書館事業が財団法人興風会から切り離され、「財団法人興風図書館」として独立した。
野田市立興風図書館
昭和54年4月､興風会設立50周年を記念し、「財団法人興風図書館」は市に蔵書ごと寄付され、「野田市立興風図書館」として新たに出発した。さらなるサービス拡充をはかるため、平成元年に南図書館が、平成2年には北図書館が開設された。
平成10年10月には、旧市役所跡地に完成した複合施設「欅のホール」内に移転した。
平成16年には関宿町との合併にあわせ、旧関宿町地区へのサービスのために「いちいのホール」内に「せきやど図書館」が開設され、現在に至る。
興風図書館年表
| 年月 | 出来事 |
|---|---|
| 大正10年6月 | 野田戊申会簡易図書館が開設 |
| 12年 5月 | 野田町に移管され野田町図書館と改称 |
| 昭和 4年11月 | 野田町図書館、財団法人興風会に移管され興風会館内に移転、財団法人興風会図書館と改称 |
| 16年10月 | 興風図書館舎竣工、移転 |
| 53年 8月 | 野田市移動図書館「そよかぜ号」野田市中央公民館内に事務室を置き、18ステーションの巡回開始 |
| 54年4月 | 財団法人興風図書館、野田市に移管され野田市立興風図書館と改称 |
| 60年 7月 | 電算システム稼動 |
| 平成元年5月 | 南図書館、業務開始 |
| 2年 4月 | 北図書館、業務開始 |
| 10年 6月 | 「欅のホール」工事竣工 |
| 8月 | 興風図書館閉館 |
| 10月 | 「欅のホール」内新興風図書館業務開始 |
| 16年 4月 | 「いちいのホール」竣工。せきやど図書館、業務開始 |
| 12月 | 移動図書館「そよかぜ号」業務終了 |
| 17年 1月 | インターネットサービス開始 |
利用案内の変化
図書館の利用の仕方は、そのときの社会環境や取り扱う資料によって変化してきました。
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戊申会簡易図書館の頃の注意書き 館外持出しの一切禁止、十五歳以下の者の入館謝絶などが書かれています。 |
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財団法人興風会図書館の頃の利用案内 開館当初は無料だった興風会図書館ですが、戦後の財政難から昭和22年から入館･貸出の際に料金がかかるようになりました。 利用が無料になる昭和53年7月まで、数度の料金改正がありました。 |
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野田市立興風図書館(移転前) ｢欅のホール」に移る前の図書館の利用案内です。この頃はまだ、南、北、せきやどの図書館はありません。 興風図書館は５時までの開館で、視聴覚資料やコミックは取り扱っていませんでした。 |
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野田市立興風図書館(欅のホール) 現在の図書館の利用案内です。 せきやど図書館の新設や、祝日開館にあわせて変更されました。 |
新旧図書館の様子
 「欅のホール」の外観 ここの地下、1階、2階が図書館として使用されています。平成10年8月に旧図書館から移転しました。
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 旧図書館の外観 昭和16年10月から「欅のホール」に移転するまでの76年間使われました。これは昭和40年代初めごろの写真です。
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 欅のホール1階 |
 旧図書館1階 |
 欅のホールこどもの部屋 |
 旧図書館児童室 |
 欅のホール2階 |
 旧図書館閲覧室 |